うつ病、うつ状態


■症状
うつ病やうつ状態は、気分が下降気味、食欲不振、性欲減退、仕事に対してやる気が起きない、頭が重たい、午前中とくに調子が悪い…などの状態が長期間回復せず日常生活に支障をきたす病気で、世界人口の約3%・日本では約360万人以上の人がいると言われています。疲れやすく、何をするのもおっくうで、気力がわきません。思考力や注意力、判断力などの低下がみられ、特に集中力の低下と忘れやすさが目立ちます。睡眠障害も重要な症状です。とくに、よく眠れなくて夜中に何度も起きたり、朝早く目が覚めたりします。反対に眠りすぎる場合もあります。精神患者のなかで最も自殺の危険が高いのがうつ病で、患者の3分の2は自殺を考え、約15%が実際に自殺を図るといわれています。

■原因
原因はまだ解明されていませんが、ストレスにより脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きが悪くなる事によって起こると考えられています。また、生活上の出来事と環境からくるストレス、すなわち親しい人との死別、家族内の葛藤、身体疾患、過労、経済問題、転居、職場の移動などがあげられます。現代のようなストレス社会では、すべての人が状況によってはうつ病になる可能性があります。

■治療
うつ病は、治療を受けないと半年から一年以上症状が続きます。最も効果的と考えられる治療法は、休養と薬物療法を柱に、精神療法を組み合わせる方法です。また、物事を否定的にみない、人と比べない、といったことを心がけ、ストレスに強い性格に変えていく努力をしましょう。自殺の危険性がある、食事をとらないで衰弱している、症状が急速に進行する、家で安らぐことができないなどの場合には入院が必要です。

・薬物療法
うつ病の治療薬は、典型的なうつ病の薬である三環系抗うつ薬や、それと非常に近い四環系抗うつ薬などいろいろあり、それぞれが効く確率は7割程度といわれています。ですから、医師の診断を受けて、その症状により何種類かの薬剤を試しているうちに、患者にとって効果のあるものをみつけて使うというのが一般的です。また、抗うつ薬による治療は寛解(治療によってうつ病の症状が完全に消失)してから6〜18か月ほど続けられます。最初の3〜4週間は、あまり効果が感じられず、むしろ副作用のほうが目立つこともあります。また抑うつ気分には改善に時間がかかることがあります。再発せずに一回で治る人も大勢いますが、6か月経たないうちに抗うつ薬を自己判断で中止すると再発する危険が高まります。勝手に薬を中止したり増減したりしないでください。副作用がつらいときは医師に相談しましょう。

■家族(周囲)の対応
うつ病は、「怠けている」「精神的に弱い」などと誤解を受け、患者自身が自責の念に苦しんでいることが多いものです。家族は追い討ちをかけるような言動は慎みます。病気をこじらせたり、ときには自殺をしようとするおそれもあります。逆に励ますことも禁物です。励まされても病気のせいで元気を出せないため、かえって自分の無力くさに悩み、うつ気分を増大させてしまいます。家族は病気を理解し、患者の悩みを聞いて支えになってあげてください。 プレッシャーになるので勇気づけてはいけません。また自殺の危険性もあるので注意が必要です。


参考文献
「うつ」が気になる人の本―どうすれば“つらい気分”から抜け出せるか?
うつ病を治して元気になる方法 最新版
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